源泉徴収制度からみた法人化(法人成り)のメリット。法人なら源泉所得税を引かれません。

 

 

源泉所得税という税金があります。

毎月の給与から天引きされている税金の一つですよね。

この支払い時に税金を引くことを源泉徴収制度と言います。

 

 

偉大な?源泉徴収制度

 

この源泉徴収制度により給与をもらう側は所得税を天引きされて手取りが振り込まれますが、その引かれた所得税はどこにいっているのか?

その所得税は会社が税務署に支払っています。

つまり従業員個人の税金の支払いという手続きを会社が代行してやってくれています。

代行してやってくれている、と書きましたがこれは会社の義務なんです。

 

従業員個人個人が自ら税金を支払うことにすると必ず支払えない人がでてきます。

なので会社に源泉徴収を義務付けて、雇っている全員分の所得税を会社が払うことで税金の徴収漏れをなくし、また、窓口を会社一本にすることで税務署の事務負担を軽減できるという大変お見事な制度が作られています。

 

 

個人事業主は毎月売上が10%値引き?!

 

この所得税の天引きは従業員だけからすればいいということではありません。

個人事業主に外注費などとして支払う場合も天引きしなければなりません。

逆に自分が個人事業主の立場であれば、請求額(売上)から税金が天引きされた残りが実際にキャッシュとして振り込まれるということです。

例えば個人の税理士事務所だと100万までの売上であれば10.21%が差し引かれ、89.79%部分が実際の受取額です。

一度の請求額が100万を超えたらその超えた部分は20.42%が差し引かれます。

月額の顧問料が100万だとしたら、手取りは約90万。

毎月売上を10%値引きしているような状態が1年間続きます。

これは月々の資金繰りを圧迫する原因になります。

 

 

源泉徴収されると資金繰りを圧迫される

 

毎月売上が10%値引きされているような状況だと月々の資金繰りを圧迫する原因となります。

もちろん確定申告によって差し引き精算されるので、3月に支払う所得税が減るか、4月に(還付)戻ってくるかします。

ですが、毎月10%引かれていたものを年に一度の確定申告時期だけで精算だとやはり苦しくなることがありますよね。

でも今までのことは個人の話です。

法人化(法人成り)するとこの源泉徴収制度の適用がなくなります。

 

 

法人は源泉徴収されません!

 

個人事業主が法人化(法人成り)した場合、税理士法人、社会保険労務士法人、医療法人などの法人になれば源泉所得税の適用はなくなります。

法人であれば請求額(売上額)通りに収入が入りますね。

源泉徴収という観点からしたら資金繰りはラクになります。

法人のメリットの一つとも言えます。

 

 

でもこれで安心というわけでもなく、法人であれば申告月に法人税や消費税をまとめて支払います。

ですから個人法人いずれにせよ自社の数字(損益)とお金(預金残高)の管理は欠かせません。

自社のお金の管理をするようになれば自ずと支出とその時期が気になってきます。

自分なりの資金繰りに予定外(知らなかっただけ)の税金の支払い時期がきて、怒りのまま支払った経験ないでしょうか?

今まで税理士に任せっぱなしだったという方は少しずつでもお金の管理をしてみてはいかがでしょう。

 

 

 

 

◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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