従業員がマイナンバーを提出してくれない場合の対処法。経過を書面に残しておく。
この年末調整から1月の法定調書、3月の確定申告とマイナンバーが話題に上ります。
税務関係書類だと扶養控除等申告書、確定申告書や届出書など主だった書類はほとんどマイナンバーの記載が義務付けられています。
それでもマイナンバーへの不信感からか従業員からマイナンバーの提出を拒否されてしまったなんてこともよくあります。
現在マイナンバーの不記載による罰則はありません。
ありませんが、国が急ピッチで進めているマイナンバーですからいつどこから問い合わせや調査などが来るかわかりません。
そんなときのために我が社を守るため、マイナンバーを集めきれなかったときの対処法を見ていきたいと思います。(簡単なことです)
マイナンバーを記載しないといけない書類(義務)
2017年12月13日現在、マイナンバーの記載が義務付けられている書類は次の通りです。(主に税務関係に限る)
・扶養控除等申告書(マイナンバーをまとめた書類を別途保管している場合にはマイナンバーの記載不要)
・確定申告書
・個人事業の開業届出書や異動届
・退職所得の受給に関する申告書
・源泉徴収票(税務署提出用)
・支払調書(一部猶予されているものもあります)
・法定調書
・雇用保険関係の届出書類
(なお社会保険の資格取得届などはマイナンバーを記入する欄が追加されましたが書かなくていいようです。また、被保険者や事業主の事務負担軽減のため、原則として、日本年金機構が自ら地方公共団体(地方公共団体情報システム機構)からマイナンバーの収集を行うことから、従業員からのマイナンバーの提出は不要ということです。)
こうして見てみるともうだいたいの書類にマイナンバーを記載しなければならないことが分かりますね。
ただし、マイナンバーを記載しなかったことによる罰則は現在ありません。あくまで努力規定です。
ですが、冒頭でも書いたように国がもうやりたくてやりたくて仕方ない制度ですから、いつどこから問い合わせや調査などが来るかわかりません。
そんなときのために次のような対処をしておきましょう。
対処法(文書で残す)
◯◯市役所でマイナンバーが漏れた、◯社からマイナンバーが流出したなど話題に事欠かないマイナンバーですから不信感をもっている方も多いと思います。
またマイナンバーによって税金、年金、いずれは預金口座まで紐付けされることへのある種の恐怖からかとにかく今はマイナンバーとは関わりたくないとか。
理由はなんにせよマイナンバーの提出を拒否する従業員がいた場合には、次の2つの事項をまとめて書面にしておくのがいいでしょう。
書面(データでも構いませんが)にしておけば問い合わせなどあった際に対外的に説明・提出することが可能で、「ただの義務違反ではない!」ということを証明できるようになりますので。
①集めようと努力したこと
マイナンバーの提出が義務であることをどうやって全社員に伝えたかを記録しておくことが一番重要です。
・マイナンバー記載が義務である旨を説明した書面を全社員に配布した
・同書面を社員が見える場所に貼りつけ提示した
・同書面を添付したメールを送付した
など
どういう方法でいつ行ったかその経過がわかるようにしておきましょう。
また、1回の通知でマイナンバーが集まらない場合は、その社員に対し複数回通知や催促をし、その方法と日付も残しておくといいですね。
②集まらない理由
マイナンバーが集められなかった理由があるはずです。社員ごとのその理由も残しておきましょう。
・マイナンバーが郵送されてこない
・マイナンバーを紛失した
・マイナンバー(国)への不信感
いろんな理由があるかと思いますが、マイナンバー不記載の単なる義務違反とならないよう、その理由を記録しておくことをおすすめします。
まとめ
年末調整の時期になると一斉にマイナンバーを集め始めるなんてこと多いんじゃないでしょうか。
これだけ国が問題を起こしていたり、マイナンバーの流出事件が起きているとマイナンバーへの不信感は尋常じゃないと思います。
それだけにマイナンバーの提出を拒否されたなんてこともよく聞く話です。
そんなときには今回の記事の内容を実践してみてはいかがでしょうか。
《編集後記》
昨日は法人の打合せにて役員報酬のシミュレーション。役員報酬の増加と合わせて小規模企業共済に(慌てて)年内に加入することになりました。
《兄弟日記6歳3歳》
風邪が治った次男は昨日は幼稚園に行けましたが、夜中急に泣き出し怒りながら「幼稚園に行きたくない」と。幼稚園に行くようになり9ヶ月経ちますが、実はまだ慣れていなかったのか、それとも最近幼稚園で嫌なことでもあったのか。楽しそうに幼稚園に行っていると思っていただけに、小さな胸に何か抱えているものがあるのかちょっと心配です。。。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。
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