会社設立するとき資本金いくらにしたらいいか。消費税と借入と対外的信用のメリット3つ

 

 

会社の設立や法人成りする時の資本金ていくらにしたらいいんだろう?

資本金の額によってメリットデメリットってあるの?

 

小規模な会社の場合は資本金を

・最低300万

・最高でも999万まで

にしておいた方がいいです!

 

理由は3つあります。

1 消費税を2期間かからないようにするため

2 銀行借入をしやすい決算書にするため

3 対外的な信用力を確保するため

 

 

消費税を2期間かからないようにしたい!

 

 

法人設立を考えている未来の社長は皆さんこの消費税のことを気にかけていますね。

やっぱり避けられる税金なら避けたいのが本音だと思います。

設立1期目と2期目に(厳密には2年間ではない!)消費税かからないようにするための最低条件としてあるのが、資本金1,000万未満に設定するということです。

以前このような記事を書きました。ご参考まで。

法人設立するけど消費税は2年間免税?! その対策「特定期間」

資本金を1,000万にしたら1期目から消費税がかかってきますのでこれだけでも絶対に忘れないようにして下さい!

 

 

銀行借入しやすい決算書を作るため。いつ借りる状況になるか予想つきません。

 

金融機関から借入をする。

業種によっては当たり前のことだと考えている社長もいますが、一方で借入する気なんてさらさらない!という社長もいます。

社長の趣味趣向もありますが、そんなこと言ってられない切迫した状況って予期せずやってくるものです。

なので、決算書を作るにあたって常に借入のことを頭に入れています。

 

借入しやすい決算書って何?

 

かなりざっくり言いますと

自己資本比率が高い≒借りやすい  です。

そして資本金が多い方が自己資本比率は高まるんです。

 

銀行は融資をする際にその会社の審査をします。

経営者の人格、プレゼン能力も重要ですが、より重視されているのが決算書の数字です。

経営者の人間性なんて審査する担当者によって180度変わることありますよね。

でも、決算書の数字には主観は入り込めません。

また、スコアリングといって銀行が決算書の数字をつかって独自に会社の評価をしますが、これも人間ではなく、PC端末が機械的に行うので公平性が保たれています。

スコアリングでは決算書から様々な要素を引っ張り出していろんな角度から会社を評価しますが、その中でも重要な指標と言われているのが「自己資本比率」です。

 

自己資本比率って何?

 

自己資本比率とは、総資本に占める純資産(自己資本)の比率です。

自己資本比率が小さいほど、他人資本の影響を受けやすい不安定な会社経営を行っていることになり、財務脆弱。

自己資本比率が高いほど経営は安定し、財務基盤強く倒産しにくい会社となります。

自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどいいんですね。

 

自己資本=純資産の部=「資本金」+利益剰余金

ですから、小難しいことは置いておきますが、資本金が多い方が自己資本が高くなるということです!

利益剰余金はざっくり言うと「純利益」です。

利益は出るにこしたことありませんが、設立当初数年はもしかしたら赤字が続くかもしれません。

あるいはうまく実質黒字・申告赤字という状況がつくれているかもしれません。

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赤字で利益剰余金が減ったとしても、それをカバーできるだけの資本金があれば銀行の評価上はそこまで悪くならないということが言えます。

 

 

最低限の対外的な信用力を確保

 

最後は対外的な信用力です。

冒頭で資本金は最低300万と言いました。

これは以前の有限会社の最低資本金が300万だった、その名残です。

小規模企業の決算書を見てきた感覚でも300万という金額は多いですね。

 

会社の元手となる資本金300万・・・

会社を作る前に300万を貯金しておくって現実的には結構大変だと思います。

でも当初6ヶ月位は売上が0円だとして、その半年間に300万を使うとすると、月に50万です。

事業経費と生活費(子供いたらギリギリでしょうか)を考えておかなければなりませんから、月50万用意するために300万貯めて資本金にあてるのは一つの目安にできそうです。

 

 

まとめ

 

資本金の額を決めるにあたって3つの判断基準を書いてきましたがいかがでしたでしょうか?

消費税のことと、銀行借入のことを同時にクリアすると自然と対外的信用(最低限ですが)もついてきます。

やはり資本金は300万〜999万までにしとくのが賢いと思います。

なお、銀行借入に重きをおきたい場合は3期目に資本金を増額(増資)することも可能ですよ!

 

 

 

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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