消費税は赤字でもかかる!?消費税の仕組みを理解しましょう

 

 

赤字でも消費税ってかかるんですね。経営者の皆さんご経験あるんじゃないでしょうか?。

赤字ということは利益が出ていない(=キャッシュも貯まってない)にもかかわらず消費税は納税しなければならない・・・

それは消費税の仕組みがわかれば理解できます。

 

税金の滞納で多いのが消費税

 

法人税や所得税は利益があって初めて課税されるものです。

試算表や損益計算書の一番下の数字がマイナスになっていない状況ですね。

儲かってるんならその儲けの一部を税金で納めてねってイメージです。

でも消費税は違います。

儲かってようが儲かってなかろうが売上などで預かっている消費税があるなら払ってね、というスタンスです。

「預かっている消費税」ですから他人の消費税を一時的に預かってあげて、申告の時にその他人の代わりに納めてあげるような流れです。

消費税は自分のお金ではないんですね。

利益がある(=キャッシュもある)から法人税がかかるのと、赤字(=キャッシュが乏しい)でも消費税はかかるというのは税金の滞納状況をみてもわかります。

消費税は滞納が多い税金なんですね。

(この表には「地方消費税」が含まれていませんので、それを含めた消費税全体の滞納はもっと多いことでしょう)
(国税庁HP)

 

消費税はどう計算している?

 

なぜ赤字でも消費税はかかるのか?

それは消費税の仕組み上、仕方がないことなんです。

消費税は利益に対して課税されるものではありません。

消費税の計算は、①「売上で預かった消費税」から②「仕入や販管費の支払い時に一緒に支払った消費税」を引いて計算し、国に納めています。

① − ② = 納める消費税 です。

これを踏まえて視覚的にも消費税の仕組みを見てみましょう。

預かっている消費税 − 支払った消費税 = 支払う消費税

・・・イメージつきましたでしょうか?

ポイントはこの水色の項目です。もともと消費税がかからないものがあるということなんです。

例えば、
役員報酬
国際電話
印紙代
給料
国際郵便
銀行利息
減価償却費
海外からの仕入れ
寄付金
社会保険料
海外出張
クレジット手数料
商品券
社宅の家賃
ご祝儀
損害賠償金
生命保険
市役所の手数料
損害保険
会費などなど

役員報酬をもらうとき消費税はかかってないですよね?笑

これらはいくら支払いをしても消費税はかかっていませんので、(売上の)預かった消費税から差し引くことができません。

それゆえ利益は赤字であっても消費税だけはかかるという状況が生まれるんですね。

単純に売上から全ての経費を引いて利益を求めているのとは違い消費税の計算は複雑なんですね。

 

資金繰りに気をつけよう!

 

単に預かっているだけの消費税で、申告時には支払った消費税との差額を国に納めなければなりません。

しかし現実は、預かっているだけの消費税を事業運営の中で自然と使っちゃっているんですね〜

そして申告時にはお金が足りなくて消費税を払えない・・・

赤字でも消費税はかかりますから、ちょっと想像しただけでも大変なことになってしまいますよね。

売上金も消費税も同じお金ですし、同じタイミングで同じ口座に振り込まれてしまうので、区別するまでもなく自社の資金繰りに組み込まれて、いつの間にか使っているんです。これは本当にある怖い話です。

あー消費税と売上金が別の口座に振り込まれればいいんだけどな〜・・・そうなんです、税金用に別口座を用意しておけばいいんです。

きっちり消費税分だけを分けなくてもいいですが、おおよその納税資金はいつも支払いに使っている口座とは別に用意しておくと後で困りません。

いつもの口座にあると、あれば使っちゃうんですよね。悪気はなくても。その気持ちよくわかります^^;

例えば資金プール用にゆうちょ銀行口座を作ってみてはいかがでしょうか?

個人でも法人でもインターネットバンキング利用料は無料ですし、振込手数料もメガバンクなんかに比べると安価に設定されています。(私も個人口座、法人口座とも持っています。)

 

まとめ

 

消費税の仕組みいかがでしたでしょうか。

赤字でもかかる消費税なので他の税金より滞納してしまうのが多いのは統計にも表れていましたね。

ざっくりとした仕組みを知るのも大切ですが、それより当期の納税額を知り、そのお金を払えるように準備しておく方がずっと大事です。

 

 

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《編集後記》
土曜日曜はオフ。奥さん方の実家に泊まってきました。えらい朗報があったようでご両親は心底喜んでいました^^

《兄弟日記63歳》
奥さんの実家の近くにブックオフのおもちゃ版みたいなお店があったので、かるく立ち寄ってみました。結局1時間半もガッツリおもちゃを選んでいました。。。また買うんかい。。。

 

 

◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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