税金がどうしても払えないときは「猶予の申請」か「税務署に相談」して支払う意思を伝えましょう!

 

 

「税金が払えない!」

 

「納税しないままにしとくと督促され、財産を差し押さえされ、そんな中で延滞税がかさみ、納税を諦めて会社を畳んだとしても税金は免除されませんよ!」

 

税金を滞納している(誰にも言っていない)、このままだと納められないまま納期限を迎えてしまう方でも、ちゃんと支払う意思があるようでしたら以下読み進めてみて下さい。

今回は、滞納時の対処法について書いていきます。

 

まずその前に税金を滞納したままのときのデメリットを挙げてみます。

できるならこのデメリットを知ってもらい、滞納時の対処法を使わないでもらいたいです。

 

 

税金滞納のデメリット

 

財産の差し押さえをされる

ある時期でその財産は売却されてしまいます。

 

延滞税がかかる

延滞税率は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となっています。

最近は年々下がってきています。現在2017年中であれば年9.0%です。

要は「高い!」ということですね。

 

納税証明書を発行してもらえない

いざ借入!と思っても新規での借入は難しくなるでしょう。

でも、普段から付き合いのある銀行やもしくは担保を出せば納税資金を貸してくれるケースもあります。

 

メンタルがやられる

以前見させてもらってたお客さんがそうでした。

督促状ってほんとに脅すような文言できますよね。

それが何度も届いて、税務署から電話がきてその文言を聞かされて…

ハートが強い方であっても体調を崩されることがあります。

 

 

税金を払えない時はこの2つの方法で対処しましょう

 

 

税金は払わなきゃいけないものと分かっていてもちょっと事情があって誰にも相談できず滞納したまま。

当期初めて消費税がかかり予想以上に金額が大きくこのままだと資金が足りない。

税務調査が入り多額の追徴税額となったが払う見込みがたたない。どうしよう。

大丈夫です。滞納は脱税ではありません!

ちゃんと払う意思がある方には救済措置が用意されています。次の手段を検討してみましょう!

 

(1)猶予の申請

(2)税務署に相談

 

 

1)猶予の申請

 

災害、病気などやむを得ない事情で税金を納められない方や支払う意思がある方に対しては、国側も救済策を用意してくれています。

法律として規定されているのは①換価の猶予②納税の猶予という制度です。

 

①換価の猶予

 

換価の猶予とは既に滞納して財産を差し押さえられている場合に、その差し押さえを待ってもらえる制度です。

これが認められると差し押さえを止めてもらいながら原則1年間以内に分割納付することとなります。

また、延滞税の全部または一部が免除されます。これは大変有難いですね。

ただし適用を受けるためには要件があります。

その要件を国税庁HPから引用しますと、

 

次の①から⑤の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。

① 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること

② 納税について誠実な意思を有すると認められること

③ 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと

④ 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること

⑤ 原則として、担保の提供があること

 

「誠実な意思を有する」とあります。やはり「支払う意思」が重要なんですね。

担保については、待ってもらう税額が100万以下である場合、待ってもらう期間が3ヶ月以内の場合は、提供の必要はありません。

 

②納税の猶予

 

その名の通り、納税を待ってもらうことができる制度です。

期間は同じく原則1年間で、延滞税の全部または一部が免除されるのも同じです。

以下、適用要件を国税庁HPから引用します。(長いです)

私が加筆した部分を赤字にしてあります。

 

次の①から④の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められる場合があります。

① 次のAからFのいずれかに該当する事実があること

A 納税者がその財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難に遭ったこと

B 納税者又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと

C 納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと

D 納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと

E 納税者に上記AからDに類する事実があったこと

F 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと

② 猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること

③ 申請書が提出されていること(上記「①F修正申告」の場合は納期限(修正申告書の提出日)までの提出)

④ 原則として、担保の提供があること(換価の猶予と同じく)

 

気を付けたい点は③の修正申告ですね。

申告をするまでに申請書を出すことです。

同時に提出することが多いでしょうか。

慌てて修正申告だけ終わらせてこの申請書を出し忘れることのないようにしましょう!

 

 

2)税務署に相談しに行く

 

猶予の申請なんてよくわからない!

税金滞納してるくらいだから税理士費用も払えず相談する相手がいない!

という方は兎にも角にも明日にでも所轄の税務署に行って相談しましょう!

 

何の連絡もせず税金を滞納し続けているから画一的な督促をされるんです。

でも本当に税務署に行くことって気がひけるもんだとも思います。

それでも適正に納税している方がいる中で、税金を分割払いしてもらうためには話をつけに行かなければなりません。

何度も書いている「支払う意思」を示す必要がありますよね。

経験がありますが、無い袖は振れないってことは税務署も充分わかっていますから、ちゃんと状況を説明すると税務署側も個別に対応してくれます。

 

 

まとめ

 

現に滞納されている方にとっては耳の痛いテーマだったかもしれません。

でも小規模企業や個人事業主(私も含め)は吹けば飛んで行く稼業です。

いつどうなるかは本当にわかりません。

今回のことは知識として頭に入れておいて、先にやるべきことは利益を出して資金を確保しておくことですね!

 

 

 

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税金(国税)の時効まとめ。3年、5年、7年。

 

 

 

 

 

 

 

◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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