個人事業なら家族に給与・賞与を払って節税!|青色事業専従者給与に関する届出書の書き方のコツ
こんにちは、東京都足立区の税理士_佐藤@zeirishi_satoです。
所得(給与)の分散が節税の第一歩です!
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法人の方がこの点では有利ですが、個人事業でも使える手法があります。
それが「専従者給与」なるもので、家族に給与や賞与を払って所得の分散ができます。
今回はそこのところを見ていきたいと思います!
役員と専従者の賞与の取り扱い
法人の場合
役員への給与(役員報酬)は経費になりますが、賞与を急に出しても経費になりません。(一定の厳しい要件を満たせば経費にできますが)
経費になる役員報酬であっても闇雲に支給してはだめで、原則1年間の月給を同額にしなければならないという税法上の縛りがあります。
決算の時期に、当期は利益が出たから役員報酬を多くしようとか役員賞与を出そうとか、又はその逆のパターンとか。
国はこのような利益調整をさせないように法律を作っています。
個人事業の場合
事業主(社長)と専従者がいるとします。
専従者とは事業主と生計が同じ人でその事業に専従して働いている人を言います。
配偶者が多いでしょう。
専従者には届出を条件に賞与が認められています。
(法人でも事前に届出をすれば認められますがその厳格さは比較にならないほどです)
専従者への賞与は非常に使い勝手がいいです。
夏に3ヶ月分以内、冬に3ヶ月分以内として問題ありません。
「以内」がポイントですね。
これでかなり支給額の幅をとれることになります。
利益が出れば賞与を多く、利益がでなければ賞与を支給しなくても構わないということですから。
法人ではこういうことはできず、決算間際に慌てて役員賞与を出しても経費になりません。
届出書の書き方のコツ
専従者へ支給する給与や賞与を経費にするためには税務署に届出をします。
「青色事業専従者給与に関する届出書」です。
この届出書の書き方のコツは
1 月給は多めに書く
その額以内で支払うぶんには問題ないからです。
2 賞与も多めに、かつ、ぼやかす
例えば「夏と冬と合わせて6ヶ月分以内」とか。
夏に賞与を払わず、年末になって損益を計算したら利益が出ていたからMAXの6ヶ月分を年末に支給する、ということも可能です。
逆に利益がでていないなら賞与を払わなければいいのです。
何度も言ってしまいますが、法人ではこのようなことは認められません。
これは個人事業にしかない制度でとても使い勝手が良さそうですね。
個人事業の大きなメリットと言えます。
注意点・ポイント
この専従者給与・賞与をうまく利用することで所得を分散でき、節税の目的も達成できます。
ただし注意点があります。
届出の時期
専従者への給与賞与を支払う年の3/15までに届出書を提出しなければなりません。
(開業日がその年の1/16以後なら、開業日から2ヶ月以内)
事業に専従して働くこと&15歳以上であること
原則、他の仕事と掛け持ちしている状態は「専従」とは言えませんし、学業に専念している学生は専従者とは考えにくいです。
あくまで目安ですが、年間に6ヶ月(2日に1日)を超えてその事業に専念していることが求められます。
金額の多寡
月給額、賞与の◯ヶ月分というのは同業種や自社の従業員と比較して極端な金額になるようだと、税務署から指摘を受けることがあります。(求人誌なんかを参考にするといいかもしれません)
経営者が説明できるようにしておきましょう。
扶養(配偶者)控除を受けられなくなる
専従者になると上記38万円の控除を受けられなくなります。
つまり専従者給与・賞与は年間38万円以上になるようにしましょう。
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また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。
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