本とかでよくある節税手法。小さな会社・個人事業主にとってはあまり意味ない方法が多い気がする。

 

 

仕事柄、税金関係の本はよく読みます。

よくある「節税」という文字が冠された本も読みますが、ん〜(使えない)と思うことが多いです。

と言うのも、言い方があれですが、規模の大きい中小企業を対象にした内容が多いんですよね。

個人事業主・フリーランスや小さな会社にとっては使えない方法がたくさんあります。

 

小さな会社とは本当に小規模な会社で、社長一人の会社や従業員がいても5人前後、年商いっても2億位までをイメージしています。

社長と会社の財布は実質は一緒です。

(もちろん中には会社の状況によっては使える節税もありますので)

 

 

決算期の変更

期末に大きな利益が生じてしまいそうな時に、決算期を変更して早めてその大きな利益を翌期にもってっちゃおうという節税です。

まず個人事業主では使えない方法です。

小さな会社でどこまで大きな利益が出るかもわかりませんが、決算期の変更は変更した後が大変です。

決算日の変更は登記不要で簡単にできる。けどあまりオススメしない理由。

 

不動産を買う

土地付建物でも買って、土地と建物をうまく按分して減価償却費を多くとるなんてことが本には書かれています。

・・・そもそも不動産買う余裕ない。

 

家賃の年払い、社会保険料の未払計上、給与の未払計上

必ず紹介されているのが、家賃の年払いや社会保険料の未払計上、給与の未払計上をして節税しましょうと。

確かにこれは使えます・・・が!法人の生涯で一回しか使えない方法です。

特に家賃の年払いは貸主も巻き込むことになり、いつ移転するかもわからないですし、年1回1年分の家賃支払の資金繰り、忘れないようにと大変なことがいっぱい待っています。

 

小会社を作る

節税目的でもう1社作るのは、交際費の800万枠を1,600万にするため、利益を二分して法人税率を低いところにおさえるため、消費税の免税利用のためとかでしょうか。

フリーランスや小さい会社が年間800の交際費を使うとは思えませんし、もう1社作ってからの管理の手間、税理士報酬UPなど考えると、節税目的だけのために子会社・別会社を作るメリットは薄いですね。

 

資本金を減らす

当初の資本金が1億円を超えているならわかりますが、まず超えていませんから意味ありません。

 

貸倒損失

貸倒損失とは、売掛金が回収できなかったときにその売掛債権額を経費に入れることです。

売上げたときは売上(収益)計上、回収できなければ経費に計上ですが、貸倒損失の計上要件が厳しい。

特に形式的な貸倒損失なんてもう本当に実務に即していません。

なんで1年以上も待たないと損失として計上できないんでしょうか。

取引停止から1年以上経った期の決算ですから実質1年ではないですよね。

というかそもそも節税じゃなくて損害です。

 

社員旅行

4泊5日以内で、社員の半数以上が参加にすれば経費に落とせて節税できる!・・・そもそも誰も行きたがらない。

(旅行に連れていくくらいなら賞与だしてくれ)

 

一人5,000円以下の飲食をする

交際費を800万以内におさえるため一人5,000円以下で飲み食いしよう!

そもそも年間800万もいかないし、だけど飲んだら5,000円超えるし。

 

不動産の耐用年数の短縮

すみません。不動産持っていません。

 

含み損のある不動産(土地)を売る
含み損のある有価証券(株など)を売る
含み損のあるゴルフ会員権を売る

すみません。持っていません。

 

 

・・・

 

 

まとめ

 

最近立て続けに節税本を読んでみてところ ふと思ったので書いてみました。

書き方が上手い、話し方が上手というのを差し引くとこんな感じをうけます。

節税だけに目を奪われると(税金が減ったとしても)お金が出ていく一方で、逆にお金が残っていないなんて状況が生まれてしまいますからよくよく考えたいところですね。

 

 

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《編集後記》
お客様の相続関連の業務につき、知人の相続専門の税理士とタッグを組むことに。

《兄弟日記6歳4歳》
夜中気持ち悪くなったのか長男が布団にもどしてしまいました。その後本人の体調は悪化せずスヤスヤ眠りについたので一安心。
ちょうど4時だったので私はそのまま準備して事務所へ。朝型を習慣にしていてよかったです。

 

 

 

 

◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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