配当と役員報酬はどっちがいいか?自分の会社から払う場合・もらう場合から考えてみる

 

 

色々ご自身で調べるタイプの社長さんからこんなことを質問されました。

「役員報酬取りすぎると税率が上がってっちゃうから、配当じゃダメなの? ネットで調べると配当じゃ意味なさそうな雰囲気があるけど…」

 

 

結論

 

結論から言うと、配当ではなく、役員報酬がベストです。

自分の会社から払う=もらうのは役員報酬にしましょう。

 

なぜこの結論になるのか?

次に理由を見ていくことにします。

(注)今回の話はその会社(自社)が上場していないことが前提です。(上場会社からの配当は取扱いが異なりますので)
いつもこのブログではそうですが、社長1人の会社や従業員が10人程の小さな会社を対象としています。

 

 

自社から払うとき

配当か役員報酬を払う会社の立場から見てみましょう。

会社からすると、同じ額を払うなら経費になる方がいいですよね。

支払う相手は物言う株主などではなく、社長である自分ですから、会社にとって有利・節税になる方法で支払うようにしてしまいましょう。

 

配当は経費になりません。

役員報酬は経費になります。

以上です。これだけですから選択肢は一つですね。

私も法人を一つ作っていますが、迷わず役員報酬で払うようにしています。
(一般社団法人なのでそもそも配当禁止ということもありますが横に置いておきます)

 

 

自分がもらう場合

次に自社からもらった場合の自分の税金上はどっちが有利なのか?

収入(所得)から考えると、配当でもらっても役員報酬としてもらっても大きな有利不利はありません。

税金計算上はどちらも同じ収入として計算されるので結果は同じです。

仮に配当と役員報酬の両方でもらったとしても合算されて、その金額に税率をかけるようになります。(総合課税と言います)

 

少し細かい話をすると配当には配当控除という「控除」があり、役員報酬には給与所得控除があります。

所得税率は収入によって変わるので、どちらの控除がより減税効果があるか一概に言えませんが、給与所得控除の方が有利なケースが多いでしょう。

他にも少額配当の申告不要はほとんど意味なし、配当から源泉徴収する手間、確定申告する手間などを考慮すると、役員報酬だけでもらった方が管理もしやすく実務に沿った方法だと思います。

 

 

まとめ

 

今回は、配当と役員報酬どっちがいいのか、について書いてきました。

払う側からなら役員報酬がいい。

もらう側はどっちも同じ。

それなら自分の会社からは役員報酬にした方がいいというところに落ち着きますね。

 

 

 

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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