【図解】所得税の計算のしくみ
所得税の計算のしくみを図で見てざっくりイメージをつかみましょう!
というのが今回の趣旨です。
ですので細かいことは置いといて、イメージ作りです。
(主に事業(商売)を行っている個人・フリーランス向けです)
所得税の計算方法知ってますか?
・独立したけど税金のことはよくわからない(税理士と契約もしてない)
・税理士に任せっぱなしでイマイチ所得税の計算方法がわからない
という方はもちろん
・会社が年末調整してくれているから特に何も困っていない
という会社員のあなたでも
自分の所得税がどう(いう順序で)計算されているのか興味ありませんか?
『参考』個人(法人ではない個人)にかかってくる税金の種類についてはこちらの記事でご確認いただければ。↓
フリーランス・個人事業主が支払う税金の種類をざっくりまとめ。
この個人が払う税金のうち、今回は「所得税」についてです。
先に所得税の計算の全体像は?と言うと、次のような順番で所得税の納付税額を計算していきます。
- 売上−経費=所得
- 所得−所得控除−青色申告特別控除=課税所得
- 課税所得×所得税率=税額
- 税額−税額控除=所得税額
- 所得税額−源泉徴収税額−予定納税額=納付税額
では順に見ていきましょう。
1.所得を計算する
まずは所得です。
「所得」とは売上から経費を引いたものです。
売上−経費=所得
会社員であれば、年収から給与所得控除を引いた金額が「所得」ですね。
《参考記事》【所得】は全部で10種類もある。すべての所得をまとめ!
これで「所得」が計算できましたが、この所得自体に税率をかけるわけではありません。
この所得からさらに差し引くものがあります。
2.所得からアレを差し引いて課税所得を計算
所得が出せたら次は「課税所得」を出します。
所得−所得控除−青色申告特別控除=課税所得
「所得控除」と言うのは、生命保険料控除や社会保険料控除のことですね。
所得控除だけでもたくさんあります→《参考記事》【所得控除】は全部で14種類もある。すべての所得控除をざっくりまとめ!
「青色申告特別控除」は、青色申告している場合の特典で、10万か65万円を所得から差し引くことができます。
3.課税所得に税率をかけて、税額を出す
「課税所得」が出せたらこの金額に所得税率をかけることで税額を計算できます。
課税所得×所得税率=税額
この所得税率は、課税所得がいくらかによって変わります。
最低5%、最大で45%となっています。
4.「税額」から「税額控除」を差し引いて「所得税額」を出す
(これから「税額」というワードが出まくるのでもう一度)
先ほど、
課税所得×所得税率=税額
で「税額」を計算しました。
この「税額」から「税額控除」というものを差し引いて「所得税額」を出します。
税額−税額控除=所得税額
「税額控除」の代表例は、住宅ローン控除ですね。
5.【最後】先払いしていた税金を引いて、納付税額を出す
やっと最後の計算です。お疲れ様です。
ここでは先ほどの「所得税額」から、先払いしていた(天引きされていた)税金を差し引きます。
先払いしていた税金は、源泉徴収税額と予定納税額(事業者の場合)ですね。
所得税額−源泉徴収税額−予定納税額=納付税額
これで、実際に3月15日に払うこととなる「納付税額」が算出できました!
ちなみに、先払いした税金が所得税額より大きければ、「還付」されますね。
まとめ
所得税の計算のしくみを図で見てざっくりイメージをつかみましょう!
ということで図解してみました。
細かいので省略している部分や本来の税法用語と違うところはありますが、あくまでイメージ作りのためと割り切っていますのでご了承いただければ。
おまけで、上記した所得税の計算の流れは、確定申告書上でも同じ流れになっています。(そりゃそうですよね)
確定申告書の左上からなぞって行けば納付税額までたどり着ける(はず)ようになっています。ご参考まで。
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《編集後記》
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また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。
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