会社は社会保険に入る義務があるが、役員報酬0円だと加入できない。→国民健康保険・国民年金に加入?
ねんきん事務所から社会保険(健康保険と厚生年金)に入れと言われました。
(社長)「いえ、将来年金もらえるとは思えないし、
消えた年金とか色々不祥事起こしてるじゃないですか。
危ないんで、自分は国保と国民年金でいいです。」
(先方)「そうですね、その節は大変失礼しました。
年金もらえても70歳位になってるでしょうし、
責任もてないので、加入してなくていいですよ^^」
なんてことにはなりません^^;
会社は原則、社会保険に強制加入
会社(の社長や従業員)は社会保険に入る義務がある。
会社は社会保険強制適用です。
と、よく見聞きしますし、私もクライアントに話しています。
一定の要件を満たした場合は、加入しなければなりません。
社会保険に加入するかどうかに、自分の意志は関係ありません。
要件を満たせば、加入しなければならない。
逆に要件を満たさなければ、(加入したくても)加入できません。
役員報酬が0円だと社会保険に加入できない
役員報酬が0円、つまり会社から給料をもらっていなければ、社会保険に加入することができません。
なんででしょう?
社会保険は保険料を会社と本人が負担し、その合計額を会社が払っていますよね。
本人が負担する保険料は給料(役員であれば役員報酬)から天引きしています。
・・・・・
そうです。
役員報酬が0円だと、保険料を天引きできないわけですね。
現在2018-09-21の一番低い保険料は、
健康保険が2,871円、厚生年金が8,052円、合計で10,923円です。
役員報酬の月額が10,923円以上ならば、保険料を天引きすることができますけど。(現実的ではないですが)
つまりは、役員報酬0円では仕組み上、社会保険料を支払うことができません。
いやいや、仕組みは会社と本人で負担だけど、
社長と会社は一体なんだから、
天引きしなくても、保険料を支払えるでしょ?!
・・・それは論点がズレるので置いておきます。
まだ利益が出ていない、資金繰りが厳しい、繰越の赤字がたくさんある・・・
やむを得ずか意図的か、理由は何にせよ、役員報酬をもらっていないと社会保険に加入できません。
国民健康保険&国民年金に加入
では、社会保険(健康保険と厚生年金)に入れない場合どうなるのでしょうか?
・・・
そうです。
国民健康保険と国民年金に加入することとなります。
ちなみに国民年金と国民健康保険の保険料は、次の通りです。
現在(2018年度)の国民年金の金額は、16,340円/月です。
国民健康保険料は、前年の所得をベースに計算され、
かつ、市区町村によって計算式が異なるため
正確な保険料は言えませんが、
ざくっと、こんな感じです。
前年の世帯年収が700万なら、60,000/月
前年の世帯年収が0円なら、2,000円/月
余談
冒頭のような会話(社長が社会保険に入りたくない)結構あるんじゃないでしょうか。
特に従業員がいる会社だと、会社が負担する社会保険料は想像よりズッシリとのしかかってきます。
実際に社会保険料を滞納してしまっていることもあります。
社会保険に入らないために役員報酬を0円にするという方法もあります。
社会保険料がなくなりますし、ついでに個人の所得税・住民税もなくなります。
ですが、国民年金と国民健康保険に切り替わり、
国民健康保険は先程の通り、前年の所得をベースに保険料が決まりますから、
返って保険料が増えるケースもあります。
また、役員報酬という経費が0円になれば、会社の利益がその分増加しますね。
法人税が増えるということです。
役員報酬を月20万円減額することで、社会保険料・所得税・住民税も減らす。
その上で、会社の利益が増えないように、
経営セーフティ共済や生命保険で月20万円分の経費を作ることもできます。
ですが、一過性のものです。
眼の前の支出は減らすことができるかもしれませんが、
解約時の対策を講じておかなければ後で税金を払うことになります。
堂々巡り。
いたちごっこ。
今どれがベストな選択なのか。
話しあって話し合って頭ん中をこねくり回して、決断を下す。
そんな関係をクライアントと作りたいものです。
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