【小規模企業共済】で節税&退職金。会社経営者でもフリーランスでもできる!

 

こんにちは、東京都足立区の税理士_佐藤です。

 

小規模会社の社長や個人事業主は

自分で将来の備え、退職金や年金を準備しなければなりませんね。

特に個人事業主は厚生年金に加入できていないことが多いですから、

この小規模企業共済は必須といっても言い過ぎではないでしょう!

 

 

概要・加入要件

 

小規模企業共済とは、「個人事業主」や「小規模な会社の役員」を対象とした事業廃止、退職などの主に引退後の生活の安定を図るための資金準備をしておく制度です。

(「従業員」を対象にしたものは別に設けられています)

 

そもそもの加入資格は?

 

「小規模」は業種と従業員数によって判定

 

  • サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)、卸売業、小売業、士業法人

であれば従業員数5人以下である個人事業主と会社役員(※役員登記されている人)

(※「従業員数」には事業主・役員本人、家族従業員、パート・アルバイトを含みませんので、主に常勤正社員がカウント対象です。)

 

  • その他の業種であれば従業員が20人以下の個人事業主と会社の役員に加入資格があります

(厳密にはもう少し細分化されていますが細かいので省略します)

 

次の方は加入できません

 

会社自体は加入要件を満たしたとしても、次の方は加入できませんのでご注意下さい。

  • 役員登記されていない、いわゆるみなし役員
  • 医療法人の役員 (医療個人は加入できます)
  • 配偶者などの事業専従者

(これもややこしくさせますが、「共同経営者」という要件を満たせば専従者でも加入できます。実際に働いていればほぼ要件を満たしますので大丈夫です。)

 

加入資格がある方は読み進めてみてください!

 

 

 

 

小規模企業共済のメリット

 

小規模企業共済は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構という

要は国の天下り機関が運営しているからでしょうか、

非常に有利な商品設計となっています。

民間ではここまでの商品は見当たりません。

 

・掛金を支払ったら全額所得控除

・解約などして受け取った時も退職金か年金か一時所得となり税制上優遇

・貸付制度あり

 

(1)支払った掛金全額を所得から控除できる。年払いして直前に節税も可能!

 

掛けられる金額は月1,000円〜7万円までで年間MAXで84万円掛けられます。(途中で増額・減額も可能)

そしてこの掛金全額が所得から控除できます!

非常に特徴的ですね〜

さらに年払いも選択できるので直前の節税策として使えますね!

 

似たようなものに生命保険料控除がありますが、こちらは84万円払ったとしても年間で控除できるのは4万〜12万ですから、小規模企業共済がいかに優遇されているかわかりますね。

 

所得税と住民税を合わせると最低でも15%、最大55%の税金を減らせることができます!

(最高税率の人が84万円払えば46万円節税となります)

これを20年、30年と続けた場合の節税額は・・・すごいですね。。

 

でも実際にお金を払っているんだから当たり前だなんて思う方もいるでしょう。

でも、死亡・事業廃止などによって共済金を受け取った時も大変有利な取り扱いが決められています。

 

(2)共済金を受け取った時も優遇あり

 

支払った掛金が全額控除できるなら

受け取った時は全額が収入になる

と考えるのが普通だと思います。

 

ところがそうではありません。

事業を辞めた、死亡した、退任したなどの理由により取り扱いが決まっていますが、

主につぎの3パターンで税制上のメリットを享受できます。

 

  • 退職金として受け取る(退職所得)

これには勤務年数1年ごとに40万、20年以上は1年につき70万の控除をし、

さらに、その半分が所得(課税される金額)となるため大変お得です。

天下り役人がさんざん利用している制度ですね。

それだけ有利だという証拠です。

 

  • 年金として受け取る(雑所得)

こちらも年金から自動的に控除額される金額があり、残りが所得になります。

 

  • 一時所得

これは受け取った金額から一律50万控除して、その半分が所得となります。

退職所得と同様に「半分」にされるので大変ありがたいですね。

 

(3)貸付制度

 

無担保、無保証で資金を借りることができます。

借りられる金額は支払った掛金の70%〜くらい

金利は現在年1、5%(低い!)

ですので、急に資金繰りに困ったとき助かります。

 

 

注意したい点もあります

 

非常に魅力的な小規模企業共済ですが、注意しときたい点もあります。

 

(1)任意の解約(事業廃止や死亡、65歳到達ではなく)をする場合で

加入期間が240ヶ月(20年)未満の時は、元本割れします。

元本割れ・・・嫌な言葉ですが、

それまでの掛金の所得控除を加味して

「節税できた金額+受け取った金額」で計算してみましょう

 

(2)共済金を受け取るまでの期間が長くなりがち(資金流動性低い)です。

受取額が多くなるのは、

・事業の廃止

・死亡

・65歳到達(15年以上加入していて)

となったときですが、一般的には数十年間支払いを続けるイメージですよね。

その間は手元からお金が出て行きっぱなしです。

ただこれは厚生年金も民間の年金保険も似たようなものです。

 

 

まとめ

 

小規模企業共済、注意すべき点はあるものの、

1年で解約してしまったとか極端なことがない限りは有利です。

掛金を支払った時と共済金を受け取った時と

両方で税制上のメリットがある制度はなかなか見当たりません。

 

ホームページで加入シミュレーションが簡単にできますので

一度やってみてはいかがでしょうか。

小規模企業共済加入シミュレーション

 

 

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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