車を決算直前に買ったら節税になるのか?経費(減価償却と初期費用)、消費税の観点

 

 

 

車買おうと思ってるんですが、決算までに買った方がいいですか?

利益がすごい出てるから決算期までに車買えば節税になるかな?

なんて思ったり聞いたりしたことないでしょうか。

私の感覚的には「社長からの質問ベスト10」に入ると思うくらい聞かれることが多いです。

 

 

車を決算直前に買ったら節税になるのか?

 

法人の決算(個人の年度末)が12月で、極端な話12月31日に車を買った場合に節税効果はあるんでしょうか。

大前提として、買っただけでは経費にならず、「乗る」「運転する」ということが必要です。(税法用語でいう「事業の用に供する」です。)

車に限らず資産を経費に入れるには、買って使い始めることが条件となります。

 

車を決算直前に買った場合の事業への影響は次の2つです。

・購入価格のうちいくら経費になるのか

・消費税の計算はどうなるか

節税になるかどうかみていきましょう。

 

 

車を決算直前に買ったらいくら経費になるのか

 

車を買った場合に経費になるのは大きく2つあります。

1つは減価償却費で、これは購入価格が経費になります。

もう1つは初期費用で、自動車税・重量税や自賠責保険料などです。

それぞれどれくらい経費になるのかみていきます。

 

⑴減価償却費という経費

 

まず、車などの資産は「減価償却費」という科目で経費に計上されますね。

減価償却をざっくり言いますと、その資産の価格を一定の年数で少しずつ経費に計上していく方法です。

一般的な乗用車(新車)であれば6年(72ヶ月間)かけて経費に入れていきます。

車の購入価格が720万としたら1年(12ヶ月)で120万が経費になるということです。

(簡単にするため定額法というもので計算していますが、定率法で計算すると当初の減価償却費はもっと多くなります。)

 

なぜいちいち年をカッコ書きで月に換算していたかと言うと、減価償却は月数で計算するからなんです。

ではタイトルの答え、決算直前の12月に720万の車を買って運転したらいくら経費になるのか・・・(わずか)10万です。

720万 × 1月 ÷ 72月 = 10万

決算直前に車を買ってもそこまで(期待した程)は経費にならないといったところでしょうか。

 

⑵購入時の初期費用(諸経費)

 

次に車購入時の諸経費ですが、これは買った期の経費になります。(減価償却のように月割り計算しません)

納車費用から自動車重量税・取得税、自賠責保険料などは一時の経費になるので、決算直前の12月に諸経費を支払ったのであればその期に全額経費計上してokです。

これら諸経費についてはなんとか12月中に間に合わせて買った甲斐があるかもしれませんね。

 

これまでの減価償却と諸経費については法人であれば法人税、個人であれば所得税に関する論点でした。

一方で両者に共通する消費税についてはどういう取り扱いになるんでしょうか。

 

 

消費税はどうなるのか

 

車を買ったときに払った消費税はどうなるんでしょうか。

(前提として本則課税を採用。簡易課税の場合はこの話は関係ありません。)

消費税は先ほどの経費に例えると「諸経費」のように、その期の消費税から控除されます。(6年に渡って消費税が減るということではありません)

本則課税を採用しているなら車を買うことによってその買った期の消費税が安くなります。

ローンで買ってても問題ありません。

 

 

まとめ

 

車を決算直前に買った場合に節税になるのか、よく話題に出ることだと思います。

諸経費と消費税は買った期に税金を減額できるが、減価償却費は月割りして経費に入れていくということです。

経営者だと高級車を買う方が多く見受けられますので、今回の内容を覚えておくと判断材料になるかと思います。

 

 

 

《参考記事》

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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