損益計算書PLの見方→「利益」と言われる項目は5つある。売上だけに目を奪われないように。

 

 

 

創業間もない社長に限らずちゃんと決算書を見たことない方って意外に多いと感じてます。

「今月は粗利が高いですね」「利益がすごいですね」「当期は完全に黒字ですね」と税理士に言われ、えーとそれはどこの利益を言っているのかな?と思ったことあるんじゃないでしょうか。

今回も難しい用語は省き、細かいことは置いといて、「利益」についてシンプルに書いていきます。

損益計算書を見ればわかりますが、会社の利益って実は5つあるんです。

 

 

「利益」は5つある

 

それでは損益計算書の上に位置する利益から見ていきましょう!

 

⑴売上総利益

 

売上総利益 = 売上高 − 売上原価

 

売上総利益は「粗利」とよく言われていますね。

売上原価は仕入や外注費なんかが該当します。

仕入値と売値の差額ですから商売の根本に位置する利益と言ってもいいでしょう。

粗利をベースに毎月の損益を把握している社長も多いのはこれが理由です。

後で出てくる販管費の毎月の差が少ないようであれば、とにかく粗利を確保しておけば問題(赤字)にはならないと。

 

ただし業種によっては売上原価がないこともあります。

私のような税理士業は仕入はないですし、外注を使っていなければ外注費も発生しません。

他にも社長ひとりのデザイン業で、社長1人が営業から制作までこなすのであれば「売上=粗利」となります。

 

 

⑵営業利益

 

営業利益 = 売上総利益 − 販売費及び一般管理費(販管費)

 

営業利益は先ほどの売上総利益から販管費をひいた後の利益です。

販管費に含まれる経費は、役員報酬・給与などの人件費、通信費、旅費交通費、消耗品費、交際費〜雑費などですね。

売上原価も販管費も直接的・間接的に、売上をあげるために貢献している費用ですから、売上から売上原価と販管費を除いた営業利益は「本業の利益」とも言われます。

また、私は融資の相談を受けているときは、この営業利益と減価償却費を足した金額までは借入金の返済が可能だなと頭の中で計算していたりします。

 

 

⑶経常利益

 

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用

 

少〜しだけ計算式を見るのが嫌になった方いるんじゃないでしょうか^^

でも簡単なことなんです。

本業以外の収益や費用を足し引きするだけです。

営業外収益には、受取利息や配当金、雑収入なんかが該当します。

営業外費用には支払利息、雑損失くらいです。

多額の借入があって支払利息が大きいとか、保険を解約したから雑収入が生じたとかなければ、経常利益と営業利益の金額にそこまで大きな差はないでしょう。

 

 

⑷税引前当期純利益

 

税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 − 特別損失

 

もうこれ以上計算式は見たくないという方が出てきていますね。

あとちょっとだけです。

税引前当期純利益は経常利益から特別(普段なら無いような)な利益や損失を+−します。

特別なもの、例えば固定資産(車など)を売った時の売却益や売却損なんかです。

はい、次が最後です。

 

 

⑸(税引後)当期純利益

 

(税引後)当期純利益 = 税引前当期純利益 − 法人税等

 

その名の通り最終的に税金を引くと税引後当期純利益が出ます。

当期は黒字だ赤字だというのは、一般的にはこの数字がプラスかマイナスかで言っていることが多いでしょう。

 

 

まとめ

 

今回は損益計算書にある5つの利益について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

業種にもよりますが、自社の損益を把握する中でどの利益に着目しておけばいいかは知っておいた方がいいですよね。

何にせよ、損益計算書の一番上に位置する「売上高」が物を言うのは間違いありませんが。

 

 

 

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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