クロヨン・トーゴーサンピンとは? マイナンバーで変わるのか

 

確定申告をちゃんとする人としない人で納める税額は異なります。

そもそも業種・立場によっても税務当局に把握されている所得が異なるため、実質同じ所得であっても会社員と事業主(自営業者)では納税額が同じ額ではないという・・・。

そんな業種間格差の不公平感を表す言葉 に「クロヨン」「トーゴーサンピン」といったものがあります。

 

 

会社員と自営業者では税額が異なる?!

 

業種問わず皆さん1年の所得を計算してそれに応じた税金を納めていますね。

会社員であれば年末調整がその作業で、源泉徴収制度によってあらかじめ天引きされているのであまり意識していないかもしれません。意識しなくても(脱税などせず)しっかりと納税できているわけですね。

実は会社側は年末調整が終わると社員の年収や税額を税務署に報告していますので、会社員の所得は税務署に把握されていると言えます。

一方、自営業者(事業主)はというと、税金を天引きされるようなことはなく、自分で売上と経費を計算して税金を納めています。

「自分で」計算しているため、恣意性が介入しない方がおかしいかもしれません。

売上が少なく計上されている、本来経費にならないものが計上されている、その理由としては複雑な税法ですからミスもあるでしょうし、意図的にやっているものもあるでしょう。

誰だって税金に限らず支払うものは減らしたいのが本音ですからね。

簡単に言ってしまうとこんな理由から、会社員と自営業者、また自営業者でもその営む業種によって、税務当局に把握されている所得が異なる、つまり税額も異なってしまうということなんです。

そして次に見ていく「クロヨン」とは、税務当局がその業種の所得をどれくらい捕捉(把握)できているか割合を示したものになります。

 

 

クロヨン

 

税務当局がその業種の所得をどれくらい捕捉(把握)できているか割合を示したものが「クロヨン」です。

・会社員(給与所得者)は約9割(ク)

・事業主(自営業者)は約6割(ロ)

・農林水産業者は約4割(ヨン)

ということですね。

先ほども書きましたが、源泉徴収制度によって所得がガラス張りの会社員は実際の収入の約9割を把握されているんですね。

それが自営業者になると6割、農家に至っては4割しか税務署に所得を把握されていないと。。。

つまり、実質同じ所得だとしても納税額に差が出ている(少ない)可能性が高いと。

自営業者や農家には自分で所得を計算して確定申告する「申告納税制度」が採用されているため、税務署が全ての所得を把握するのは難しいでしょう。

 

いや所得捕捉の割合はこんなもんじゃない!もっと差があるぞ!
もっと所得を把握されていない職種があるじゃないか!
ということで「トーゴーサンピン」です。

 

 

トーゴーサンピン

 

先ほどの「クロヨン」よりもっと所得捕捉率の差が広がった状態を表す言葉が「トーゴーサンピン」です。

・会社員(給与所得者)は約10割(ト)

・事業主(自営業者)は約5割(ゴ)

・農林水産業者は約3割(サン)

・政治家は1割だけ(ピン)

政治家特有の非課税収入があったり収支報告形態があったりまぁ法律作る立場の人ですしね。

 

割合の正確性はおいておきますが、これくらいは差があるんじゃないかとずいぶん昔から言われています。

 

 

マイナンバー導入で捕捉率Up?

 

マイナンバーが浸透したらこの所得捕捉率はみな10割になるのか?

そんなことはないでしょう。

マイナンバーは2018年から預金口座にも適用できるようになりました。

これによって、税務調査の厳格化や、社会保障の不正受給の防止などに一役買うようになると思います。

ただし、預金口座へのマイナンバー適用は当初は任意です。

預金口座とマイナンバーが連動したとしても、申告納税制度がありますから、申告前の段階で「調整」が行われていればマイナンバーだけでは分からないものがたくさんありますよね。

所得の捕捉というより、資産を把握されるのがマイナンバー付番の効果だと考えられます。

 

 

 

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◆この記事は執筆時点の想いをもとに書いています。
また、税制も執筆時点のものになっており、記事によってはその後の法改正が反映されていない可能性がありますのでご注意ください。



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